2018.09.07 Fri
ネット利用の危険性
時事ネタ

ネット広告の闇。NHKが報じた飛ばし裏広告

2018年9月4日(火)、NHK「クローズアップ現代+」で「追跡!ネット広告の“闇”」と題した番組が放送されました。インターネットのアダルトサイトを見ると、知らぬ間に「広告のまとめサイト」に飛ばされ、広告主や広告代理店は、このような状況になっていることを把握していませんでした。

インターネット広告は日進月歩で、次々に新しい仕組みが誕生しています。広告主も私たちユーザーもわからぬまま、広がるネット広告の闇について考えてみたいと思います。

「飛ばし裏広告」の仕組み

「クローズアップ現代+」で初めて「飛ばし裏広告」という言葉を知りました。番組の内容をもとに、その仕組みを簡単に説明します。

“一部のアダルトサイトの動画を見ると、その裏で見るつもりのない「まとめサイト」に勝手に飛ばされるという仕掛けです。しかも、その「まとめサイト」は表に表示されません。なのに広告を見たとカウントされる。広告主は何も知らずにむだな費用を支払ってしまう。アクセス数の多いアダルトサイトを踏み台にした、いわば「飛ばし裏広告」です。”
NHKクローズアップ現代+「追跡!ネット広告の“闇”」より

直接の被害を被るのは、実際は見られていないのに広告費を支払っている広告主です。番組内で取り上げたのが、鹿児島県曽於市のふるさと納税に関する広告。曽於市はネットを含めた広告費として、電通九州に今年度3,000万円支払うことになっていました。

 

曽於市も電通九州も、さらには電通九州から依頼された配信事業者(今回はヤフー)も、ふるさと納税の広告が「飛ばし裏広告」となっていることを把握できていませんでした。

どうして「飛ばし裏広告」が発生するか

大手広告代理店やIT配信事業者が知らぬまに進行する、裏広告。どうしてそのようなことが起きるのでしょうか。

ネット広告を配信するとき「アドネットワーク」という、広告のターゲットとなりそうな層(40代既婚男性など)が閲覧しているサイトを自動的選び、配信する仕組みがあります。「アドネットワーク」は沢山のウェブサイトにつながり、配信された広告をクリックすると、そのウェブサイトの運営者に広告料が支払われます。

今回の場合、アダルトサイトにまとめ広告に飛ぶような仕掛けがされていて、広告を閲覧したかのように見せる不正なシステムの存在が明らかにされました。番組で取り上げられていたまとめサイトの運営者には、ひと月に450万円の広告収入があったのではと試算。不正サイト運営により、かなりの金額を得る仕組みになっていることに驚きます。

インターネット広告費の増加

電通が発表した「2017年 日本の広告費」によると、新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディアを合計した「マスコミ四媒体広告費」は前年比97.7%となっているのに対し、「インターネット広告費」は前年比115.2%と増加。金額は1兆5,094億円となっています。

提供:https://dentsu-ho.com/articles/5843/

テレビメディアに迫る勢いのインターネット広告費を巡り、ウェブ運営者がアクセス数をあげるために必死になるのもわかります。「飛ばし裏広告」は悪質な例ですが、不正とまではいかなくても、広告収入を得るためにうっかりクリックしてしまう仕組みがどんどん登場しています。まずは、そんな現状と背景を理解することが大事ですね。

私たちユーザーは、悪質な罠にはまらないよう、広告ブロックアプリを活用してトラブルを回避するなど自己防衛をする必要があります。インターネット広告は同じように見えても色々な種類があり、それぞれブロックの方法が異なります。

次回は、スマートフォンの設定でできる広告ブロックや、広告ブロック専門アプリについてご紹介します。

NHKクローズアップ現代+

http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4176/index.html

電通「2017年 日本の広告費」

http://www.dentsu.co.jp/news/release/2018/0222-009476.html