2019.04.26 Fri
時事ネタ

Coinhive事件ってどんな事件?

私たちの意図しないプログラム

私たちが普段ウェブサイトを閲覧するときには、パソコンやスマホの中でいくつかのプログラムが動いています。
そのプログラムの多くはウェブサイトを表示するために必要なものですが、動いているプログラムが本当に閲覧に必要かどうかの確認は簡単にできるものではありません。

ウェブサイトの表示に直接必要ではないプログラムとして、もっともわかりやすいものは広告でしょう。広告を表示させることでウェブサイトの運営者は広告収入を得ています。

広告の内容は運営者が契約している広告の会社によって決められるため、運営者が直接決めることはできず、中には運営者の意図しない悪質な広告が表示されてしまうこともあります。
しかしながら、現状で運営者がウェブサイトから収入を得る方法は広告しかなく、仕方なく広告を表示している運営者もいると思います。

Coinhive(コインハイブ)って何?

広告に代わって収入を得る手段として話題になったのがCoinhive(コインハイブ)です。Coinhiveはウェブサイトを閲覧しているパソコンやスマホの内部で仮想通貨をマイニングすることで、そこで得られた仮想通貨が運営者の収入となるようなプログラムです。

マイニングというのは、仮想通貨の安全性を維持するためにパソコンに働いてもらうことです。

マイニングをすると、仮想通貨の一部を報酬として受け取ることができます。悪質な広告を表示させない次世代の収入源として話題になったCoinhiveですがCoinhiveを設置していたウェブサイトの運営者が事前の注意喚起などがないままに「不正指令電磁的記録取得・保管罪」で略式起訴されたことにより事態は一変します。

他人のパソコンで勝手にマイニングをしたら犯罪?

Coinhiveは閲覧者の許可を取ることなくマイニングを始めますが、閲覧者のパソコンやスマホから情報を抜き取ることはしません。

閲覧者はGoogle ChromeやSafariなどのブラウザと呼ばれるアプリケーションからウェブサイトを閲覧しています。
それらのブラウザは様々なウェブサイト上のプログラムを実行することになるため、悪意を持ったウェブサイト運営者から閲覧者を守るために許可なくパソコンやスマホの内部データにアクセスできないような仕組みになっています。

Coinhiveによってパソコンやスマホのデータ処理量が多くなることはありますが、パソコンやスマホの動作に影響するほどではなく、閲覧者にとって不利益はほとんどないと言っても良いでしょう。

警告や注意喚起のない状態で突然刑事事件として扱われることは、「不正指令電磁的記録取得・保管罪」を濫用していると言っても過言ではないかもしれません。

法廷闘争に発展 相次ぐ支援の声

略式起訴されたウェブサイトの運営者の男性が、処分を不服として裁判を請求しました。ここで争点になったのが、「他人のパソコンやスマホで勝手にマイニングするプログラムは不正かどうか」と「運営者の男性には犯罪であるという認識があったのか」の2つです。

男性は「Coinhiveによって情報が抜き取られるわけではない」ことと「犯罪であったという認識はなかった」ことを主張し、横浜地裁は無罪を言い渡しました。また判決では、警察などからの事前の注意喚起や警告なく刑事罰に問うことに対して苦言を呈する場面もありました。

今回の無罪判決にを不服とした横浜地検は、東京高裁に控訴しました。その控訴を受けて男性の元には支援したいという声が相次いでいます。
Coinhiveが違法だという前例を後世に残さないために戦う姿は多くの人の共感を呼んだのです。この裁判の結果は今後の「不正指令電磁的記録取得・保管罪」の運用に大きく関わってきます。
裁判の結果はまだ分かりませんが、法律の運用は正しく行なってほしいものですね。