2019.08.07 Wed
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時事ネタ

「天気の子」と広告

皆さんはこの夏、映画を観ましたか? 数ある夏公開映画の中でも特に注目を集めているのが、新海誠監督によるアニメーション映画「天気の子」です。2016年公開の「君の名は。」に続く話題作として、公開前から広告が打たれていますが、注目したいのは劇中に商品やブランドを登場させる広告手法を取り入れている点。今回はその「プロダクトプレイスメント」について解説していきます。

映画「天気の子」とは?

「天気の子」は新海誠監督の7作目となる劇場公開作品です。前作「君の名は。」は公開から約1ヶ月で興行収入が100億円を超え、最終的には250億円以上、日本映画史上歴代2位の記録を打ち立てました。2019年7月19日に公開された、「天気の子」も、公開18日目にして興行収入60億円突破と好調。主人公の少年、ヒロインの少女の選択は賛否が分かれるところですが、2人の純粋な愛と強く生きる姿に心打たれた人も多いことでしょう。また新海誠監督が得意とする美しい風景描写や、前作「君の名は。」ファンの方にとって嬉しい演出なども見逃せません。

一方で注目したいのが、街の景色や主人公が使う商品のリアルさです。通常、アニメ映画などでは、背景や小道具に特定の企業名や商品を出さず、架空の企業や商品を描きます。しかし、東京・新宿が舞台となっている「天気の子」は、新宿の風景の一部となっている実在の街の看板広告や店が描かれています。また、CMでもおなじみ、「2分がうまいんだよ、知らないの?」と主人公の少年が食べるカップラーメンも、実在の会社のもの。小道具としても実際の商品が描かれているのです。

現実の商品が劇中に登場する「プロダクトプレイスメント」

このように、実在する企業や商品を作中に登場させる広告手法のことを、「プロダクトプレイスメント」といいます。1955年に公開されたジェームズ・ディーン主役の映画「理由なき反抗」で、主人公が作中で使っていた櫛はどこのブランドのものか、問い合わせが殺到したことから始まったと言われています。

「プロダクトプレイスメント」は、人々の感性に訴えかける映画を通して、ただCMを打つこととは違うアプローチで企業イメージや商品を伝えることができるという、タイアップ企業にとってのメリットがあります。また、映画の製作サイドからしても、現実的な世界が舞台の作品の場合、実際の企業名や商品を使うことで、その世界のリアルさを表現できるというメリットもあります。これにより、観客はフィクションの世界でありながら、現実と交差しているかのような面白さを映画から感じることができるのです。

その反面、「プロダクトプレイスメント」がマイナスの方向に作用する場合もあります。作中で悪いイメージの企業として起用されていたり、悪者が商品を使用したりするケースです。また、作品の表現範疇を超える執拗な「プロダクトプレイスメント」も、イメージダウンに繋がる恐れがあります。

「プロダクトプレイスメント」を取り入れている作品

プロダクトプレイスメントは、「天気の子」以外にも多くの話題作で取り入れられています。過去の新海誠監督作品でも、2013年公開の「言の葉の庭」では特定のビール商品をタイアップしています。

アニメ作品では他にも「TIGER & BUNNY」や「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「魔女の宅急便」といった人気作にも導入されています。海外映画では「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「キル・ビル」などがファッションブランドとタイアップ。日本映画では「男はつらいよ」が飲料メーカーなどとタイアップするなど、様々な企業がタイアップしています。

広告ブロックアプリ「あどしらず」

「天気の子」にハマった方、まだ観ていない方は、これからの鑑賞を広告という視点から見てみるのも面白いでしょう。このように、「プロダクトプレイスメントを取り入れているかどうか」という視点で観るというのも、映画鑑賞の楽しみのひとつになるのではないでしょうか?

一方で映画をはじめ、動画をインターネットで観ている時に現れる広告は、観賞の邪魔になるものです。作中の広告は削除できませんが、広告ブロックアプリ「あどしらず」は頻繁に出てくるインターネット広告をブロックしてくれます。「あどしらず」を使って不要な広告が目に入らないようにし、快適に動画を楽しみましょう。